理学療法士のこうすけです。
今回は膝OAのリスクはBMIの増加とどのように関連するかについて書かれた論文を紹介します。
2012年に哈爾浜医科大学で行われたシステマティックレビュー(メタアナリシス)でして
18論文872717人を対象に、BMIと膝OAの関連についてメタ分析したものとなります。
結果は
BMIが5kg/cm×cm増加するごとに膝OAのリスクは35%増加する
となりました。
また、男性よりも女性の方がBMIと膝OAの関連は強いという事も分かりました。
BMIが5増加というと痩せ型の人が肥満になるくらいの変化ですし、結果を見ると『そりゃそんだけ太れば膝OAにもなるわな、当たり前。』と思ったんですが、肥満と膝OAとの関係を数値として把握しておくと、患者教育として使えるかもしれません。
ちなみにBMIが5増えるということは、身長172cm65kg(BMI22)の人が80kgまで体重が増えるとちょうどBMIが5増えたということになります。
んー、やっぱりBMI5増えるって相当ですな・・・
ちなみに著者のLiying Jiangらはこの研究の課題として
- 喫煙が考慮されていない
- K/L分類での評価が多いので、症状を含めた別の評価では結果が変わる可能性がある
- 職業が考慮されていない
の3つを挙げています。
喫煙と職業は膝OAとの関連が示されていますが、採択された論文に情報が無かったり、K/L分類はX-Pから評価しており、症状の評価が含まれていません。
これらを考慮して再検討すると、異なった研究結果となる可能性があると彼らは指摘しています。
多少のバイアスの存在はありますが、BMIという一般的に使用されている数値と膝OAとの関連が示されたということで、非常に興味深いなと感じたので紹介させていただきました。
参考文献
JIANG, Liying, et al. Body mass index and susceptibility to knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis. Joint Bone Spine, 2012, 79.3: 291-297.