理学療法士のこうすけです。
前回は『THE TEAM』よりチームを作る上で重要なABCDEの法則のうち、Aimの法則(目標設定)について『病院の理学療法士というチーム』としての考え方を解説しました。
今回はその続きであるBoardingの法則(人員選定)について解説していきたいと思います。
Contents
Boardingの法則とは
Boardingの法則とはチームのメンバー選びに関する法則のことをいいます。
チームにおけるboarding(人員選定)は『何をやるかと同じくらい誰とやるかは重要である』と言われるくらい、優れたチーム作りには欠かせない要素の一つです。
Boardingの法則のポイントは以下の通りです。
- メンバーを選ぶために自分のチームについて知る
- 環境の変化度合と人員の連携度合によって必要なメンバーの特性とメンバーの代謝を選定する
それでは、一つずつ解説していきます。
①メンバーを選ぶために自分のチームについて知る
何かを成し遂げるためにチームがありますが、達成するためにメンバーを選ぶ上でまず重要なのが
自分のチームについて知ることです。
本書では、チームを求められる『環境の変化度合い』『人材の連携度合い』を縦横の軸に4つのタイプに分類する方法を推奨しています。
これら4つ(サッカー型、野球型、柔道団体戦型、駅伝型)に自分のチームの分類することからまず始めます。
②環境の変化度合と人員の連携度合によって必要なメンバーの特性とメンバーの代謝を選択する
4つのタイプに分類できたら、次はそれぞれのチームの特性に合った人員選択をします。
- 人材の連携度合が高い・・・異なるメンバーが集まった方がいい
- 人材の連携度合いが低い・・・似たようなメンバーが集まった方がいい
- 環境の変化度合が高い・・・メンバー選びは出口(メンバーの入れ替え)にこだわる
- 環境の変化度合いが低い・・・メンバー選びは入口(はじめのメンバー選び)にこだわる
本書では4つに分類するように推奨されていますが、僕個人としてはもう少しファジーでも良いのではないかと考えています。
あくまでベースとして、人材の連携度合と環境の変化度合を捉えるということです。
人材の連携度合や環境の変化度合とメンバー選びとの関係性はなんとなくイメージはつくかと思いますが、本書内で非常にわかりやすく解説されておりますので、そちらをご参照いただけると良いかと思います。
Boardingの法則を理学療法士に当てはめる
それでは、Boardingの法則を理学療法士というチームに当てはめてみましょう。
まず、病院で働く理学療法士のチーム(リハビリテーション科など)はどのようなチームになるでしょうか。
ここから先はみなさんが所属している部署で考えてみてください。
僕が、自分の勤め先のチームを分類するとしたら
- 人材の連携度合いは低い
- 環境の変化度合いは比較的高い
と評価して
理学療法士のチームはやや駅伝型よりの柔道団体戦型だなと判断します。
人材の連携度合いに関しては
- 理学療法中は基本的に1対1で行うものであること
- それぞれ得意不得意な分野があってそれを助け合ったとしても、連携というよりは個と個の積み重ね
といったイメージから人材の連携度合いは低いと考えます。
もちろん他部署を含めたくくりにする場合はこの限りではありません。
環境の変化度合いは
- 医学や科学は常に進歩しているため、その変化に対応する必要がある(最新の機器や治療を取り入れる)
- 法制度も変わっていくため、その都度理学療法のかたちを少しではあるが変える必要がある。
- 病院とはいえ客商売であるため、多くの年代の意見を経営に反映させていく必要がある。
というイメージからIT企業ほどではないにしろ、環境の変化度合いは比較的高いと考えます。
自分のチームへの理解が深まったら、次にその情報をメンバー選びに活かしていきます。
人材の連携度合いが低いチームにおいては似たようなメンバーが集まった方がいいとされています。
その理由は連携度合いが低いということは仕事内容が自己完結型になっているということであり、その仕事をする上で必要な能力を持った人間が必要になる(同じような性質を持った人間が必要)からです。
理学療法士でいえば
- コミュニケーション能力が高い(礼儀含む)
- 自己研鑽を積み最新の医学を患者に提供できる
- 思いやりがある
このようなスキルが全員に備わっていれば全体としてもいい仕事ができるでしょうから、これらのスキルを持った人(似たような人)が必要になるわけです。
ただし、業務だけでいえばこれで良いですが『盛り上げ役』『まとめ役』みたいな人も大切といえば大切なのでバランスが大事ですね・・・
続いて、環境の変化度合ですが、高い場合は出口にこだわる(メンバー入れ替えにこだわる)ことが重要だとされています。
環境の変化が大きいということは、当初集まったメンバーでは対処できない問題が発生しやすいということであり、その変化に応じて適切なメンバーが集まることが必要だからです。
理学療法士では
- 医学や科学は常に進歩しているため、その変化に対応する必要がある(最新の機器や治療を取り入れる)
- 法制度も変わっていくため、その都度理学療法のかたちを少しではあるが変える必要がある。
- 病院とはいえ客商売であるため、多くの年代の意見を経営に反映させていく必要がある。
という要素があるため、年代があまり偏る事がないようなチーム編成が必要になるかもしれません。
ただ、部署として考えると代謝を促す(退職させる)ということは現実的ではないので、部署内でそのような変化をもたらすチームを作るというのが現実的かもしれません。
さて、長くなりましたが結論として、僕が考える理学療法士のチームの理想は
共通の性質
- コミュニケーション能力が高い(礼儀含む)
- 自己研鑽を積み最新の医学を患者に提供できる
- 思いやりがある
目指すべき代謝
- 各年代が偏りなく在籍するように代謝させていく
という要素を持ったチームではないかと考えました。
まとめ
チーム作りの上で、メンバー選びは重要です。
管理職の方は人事の際に『自分のチームはどんな特徴があるか』『どんな人材が必要か』『どのように代謝させていくか』をあらかじめ考慮した上で、採用など決めていくことでより素晴らしいチームに近づいていく事ができます。
参考になれば嬉しいです。
ご覧いただきありがとうございました。
[…] […]
[…] […]