理学療法士のこうすけです。
腰痛とベッドって関連ありますか?
腰痛の人にはどんなベッドがいいですか?
通販でやってるマットレスとかってどうなんですか?
などと、マットレスと腰痛の関連について質問されたことがある理学療法士も多いのではないでしょうか?
僕も、実際臨床現場において質問されることは多く、『それはわかりません』『どうなんでしょうねえ』『アライメントを良い状態に保つようなものが良さそうではありますが・・・』などと、かなり曖昧かつ主観的な返答しかできませんでした。
今回紹介したい論文は、これらの疑問に対するヒントになる論文です。
これは、2015年にアメリカのユーティカ大学が行なったシステマティックレビューで、マットレスの種類と睡眠、腰痛、アライメントとの関連について調査したものになります。
包括基準は条件を満たした24の比較試験からなっており、その中にはRCTも含まれております。
メタアナリシスではないので、この論文からはっきりと何か言える訳ではないですが、臨床において、患者さんにアドバイスする材料にはなるかと思います。
早速結果を見てみましょう
- 中等度の硬さのマットレスは慢性腰痛患者の睡眠を55%改善させ、腰痛を48%減らした
- 個々に合わせた硬さのマットレスは脊椎のアライメントと睡眠の質が向上した。
- 中等度の硬さおよび、脊柱の彎曲を維持するように作られたマットレスは睡眠を改善した
- 個々に合わせたマットレスは睡眠とアライメントを改善した
- 近位の加温は睡眠を促進した
細かい結果もありましたが大まかにいうと上のような結果となりました。
つまり、柔らかいマットレスも硬いマットレスもあまり良くなくて、中くらいの硬さで、個々の体に合わせたマットレスが良かったということです。
実にファジー・・・・
中等度の硬さというのも、被験者の主観に基づくものが多く、果たしてこの結果から何が言えるのか?
ん?
というところではありますが、少なくとも自分の考えだけで話すよりは信ぴょう性は高いでしょう。
よって、はじめに戻って
- 腰痛とベッドって関連ありますか?
- 腰痛の人にはどんなベッドがいいですか?
- 通販でやってるマットレスとかってどうなんですか?
と聞かれた場合には
- 腰痛とベッドって関連ありますか?
→『関連はあるようです』
- 腰痛とベッドって関連ありますか?
- 腰痛の人にはどんなベッドがいいですか?
→『現在はっきりとした結論は出ていませんが、ご自分が中ぐらいの硬さと感じるマットレスや体のカーブにあっているマットレスがいいのでは?と言われています』
などと回答するのが無難でしょう。
極力みなさんにはっきりとした情報をお伝えしようと心がけてはいるのですが、調べた結果は正直微妙ですね・・・
今後もみなさんに少しでも役に立つ情報を発信していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
ご覧いただきありがとうございました。
【参考文献】