理学療法士のこうすけです。
今回はTKA後に3ヶ月以上続く痛み(持続的な痛み)の予測因子に関するシステマティックレビュー(メタアナリシス)について紹介します。
これは2015年にG. N. Lewisらによって行われた研究でして
採択された論文は32件、29992人の患者を対象に検証を行っています。
そして、これらの32個の論文より、身体的、心理的な面を含めた43種類の要素の中から予測因子はなんだろうかと解析しております。
ちなみに43種類の要素の中には、年齢、術式、抑うつ、教育などが含まれています。
結果は
疼痛部位の数、術前の疼痛の程度、破滅的思考、うつ病、不安、術前機能低下の6つがTKA後3ヶ月以上に渡って続く疼痛の予測因子である。
となりました。
そして、この結果からG. N. Lewisらは
TKAによって関節からの侵害受容性の入力の除去が、慢性的な疼痛を完全に除去するわけではないということから、中枢性の感作がこれらの疼痛の一因になっていると考察しました。
また、破滅的思考などへのアプローチとして、認知行動療法を含めた介入も有効かもしれないと提案しています。
この研究から思うことは、分かってはいるものの僕たち理学療法士は身体に注目しがちですが、心理面を含めて評価して介入していくことで、さらなる効果が期待でき、治療の幅も広がるんだなということです。
TKAのオペ後で疼痛は長期化する人は決して少なくないので、認知行動療法を学んでみるといいのかなと感じました。
参考文献
LEWIS, G. N., et al. Predictors of persistent pain after total knee arthroplasty: a systematic review and meta-analysis. British journal of anaesthesia, 2014, 114.4: 551-561.